台風の中心気圧とヘクトパスカル解説!強さの判定の基準と計測手法について

台風の報道を聞いていると、「ヘクトパスカル」という言葉をしばしば耳にしますね。台風の特徴を把握する際、欠かせないこの単位についてお話ししましょう。

その定義からどうして台風の勢力を示す指標になるのか?まで、詳しくご紹介します。

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ヘクトパスカルとは?

ヘクトパスカルその役割と意義

台風の勢力を示すのに用いられる「ヘクトパスカル」という単位、これは気圧を計る際の指数として使われており、台風の強弱を判定する上でとても重要な値でもあります。

それでは、ヘクトパスカルの数値はどうして必要なのでしょうか。

ヘクトパスカルは台風の勢力を把握するために必要不可欠な、気圧の値を表すからです。この値によって台風の強さを知ることができ、様々な予防策や対策が立てられるのです。

中心気圧が示すもの

具体的には、台風の中心部の気圧がこの単位で示され、台風の強さを図るうえでの一つの基準となります。中心気圧が低いほど、台風は強力であるとされており、その値によって危険度を判断することが可能です。

台風の強さを示す中心気圧とは

「中心気圧」という言葉は、天気予報で耳にすることが多いですが、なぜこれが気象報告において重要なのか、そして、なぜヘクトパスカルという単位が使用されるのかについて、ここでは解説いたします。

気象学ではこのヘクトパスカルという単位が広く利用されておりますが、合わせてその計算方法や具体的な意味についても触れてみましょう。

ヘクトパスカルについて

気圧を計測する際に用いられるヘクトパスカル(hPa)は、その周囲にある空気の圧力を示す指標です。

このヘクトパスカルは「ヘクト」という接頭語が使用されており、これは100を意味するため、具体的には1平方メートルあたり100ニュートンの力がかかる、つまり100倍のパスカルを意味します。

ヘクトパスカルという単位の起源

日常生活の中ではあまり見かけないヘクトパスカルですが、気圧を測るときにはこれが指標として用いられます。

この単位はブレーズ・パスカルというフランスの有名な学者の名前が由来であり、「hPa」という形で一般に略されています。

なおパスカルは多くの知られざる貢献を残しており、「P」というシンボルは彼の名に因んでいます。

ミリバールとヘクトパスカルの比較解説

かつてはミリバールという単位が国際的に気圧を示すために利用されていましたが、これはSI単位系には含まれないものでした。

現代ではヘクトパスカルが主流となっており、ミリバールと数値上では同等ですが、単位系が異なります。

ヘクトパスカル導入の背景

ヘクトパスカルが公式に計測単位として採用されたのは1992年12月1日に改正された計量法によってです。

この変更は、国際単位系(SI)に準拠する目的で行われ、重要な点は新たに採り入れられた1ヘクトパスカルが古くから使われていた1ミリバールと数値的に等しくなっているところです。

1mbar = 1hPa

台風の強さと中心気圧の関係

台風の情報では、ヘクトパスカル(hPa)を用いた気圧が頻繁に報告されます。この数値は気圧の高さを示しており、通常、値が低いほど強い台風とされています。

しかし、一体なぜ低い気圧が台風の強さを示す指標となるのでしょうか。

台風の中心気圧とその強さに関する基準

ヘクトパスカル(hPa)は、直接的には台風の強さを示すわけではありませんが、台風の中心気圧を測る指標として用いられます。中心気圧は台風の強さを把握する上で重きをなす数値であるため、これに注意を払うことが重要です。

かつて1961年、高知県室戸岬西へ上陸した著名な台風は、上陸時925hPaの圧力を記録し、この数値で記録された第二室戸台風は大きな被害を生じさせたことで知られています。

台風の中心気圧とそれに伴う勢力の目安は下記のとおりです。

  • 1013hPa以上:標準的な気圧
  • 990hPa以上:弱い台風
  • 960~989hPa:平均的な台風
  • 930~959hPa:強い台風
  • 901~929hPa:非常に強い台風

ただし、中心気圧のみならず、風の強さも台風の威力を評価する上で必要不可欠です。

高気圧から低気圧へと吹く風の特徴、および等圧線が密接しているほど風速が増すことも、台風の影響範囲と強力さを判断する際の重要な要素です。

台風の勢力と範囲評価のガイドライン

台風が接近する時に優先して認識しなければならないのは、その台風が持つ「勢力(強さ)」と「広がり(範囲)」です。これら二つの要素は、台風によって及ぼされる影響や危険性を判断するのに不可欠な指標となっています。

日本の気象機関では、これらに関して、その最大風速と広い範囲に及ぶ強風の存在を基準に分けています。以下に、各カテゴリーについて説明します。

台風の勢力に関するカテゴリー

台風の「勢力」の分類は、最大風速に応じて次のようになっています。

  • 強い:最大風速が33m/s(64ノット)以上だが、44m/s(85ノット)に達していない
  • 非常に強い:最大風速が44m/s(85ノット)を超え、かつ54m/s(105ノット)未満
  • 猛烈な:最大風速が54m/s(105ノット)を超える

このように異なるカテゴリーでは、風の強さによりさまざまな影響が生じます。

台風の広がりに関するカテゴリー

一方、台風の「広がり」は、15m/sを上回る風が吹き渡る範囲の半径によって定義されます。

  • 大型:半径が500km以上であり、800kmには満たない
  • 超大型:半径が800km以上

とりわけこれらの大型クラスの台風は、非常に広範囲にわたって影響を及ぼすリスクがあることに注意が必要です。

台風の中心気圧の測定方法について

台風評価に不可欠な中心気圧というデータですが、その測定方法にはどのようなものがあるのでしょうか?

台風は太平洋を中心に形成される気象現象で、測定技術は観測機器の存在によって変わります。陸地や船上では直接の気圧測定が可能であり、一方で遠い海上では測定が困難です

この時、重要な役割を担うのが「気象衛星ひまわり」の存在です。衛星を利用して雲の様子や動きを解析することにより、離れた海上にある台風の中心気圧を推定することが可能となります。

この方法により、台風の強さや予想される影響に関する詳細情報が得られ、重要な判断材料として活用されます。

台風の強さを示すヘクトパスカルと中心気圧:まとめ

この記事では、台風の力を示すバロメーターともいえる中心気圧と、その計測単位であるヘクトパスカルの意味についても説明しました。

台風の猛威を測定する際に中心気圧が指標の一つとなりますが、全ての台風の強さを示すわけではなく、最大の風速や暴風の範囲の大きさも台風を評価するための重要な基準となります。

これらの側面を正確に把握し、適切な予防策を立てることは、災害時の備えとして不可欠です。

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